空港へ向かう前に、川沿いの桜並木を歩いた。小さな川の両側からお互いの手をつなぐように、長い枝を伸ばしている。毎春、母を連れてきた思い出の場所だ。見上げると青空に淡いピンクの花束が重なり、足元には花びらの道がずっと向こうまで続いている。もう少しゆっくりと歩きたい。が、出発の時間が迫っている。
定年退職後に、都会暮らしをしてみることにした。私を乗せたJエアーの小さな機体は、見慣れた島々を眼下に身軽な飛行を続けている。機種はエンブラエル190。ブラジルのエンブラエル社は、エアバス、ボーイングに次ぐ世界第3位の航空機メーカーだと、先日参加した羽田空港のJAL工場見学で教わった。見学後は、飛行機の顔立ちや特徴に目がいくようになった。今日は、いつもの旅行、いつもの出張とは違う心の軽さがある。「幸福(幸フク)がありますように」とチェックイン時にいただいたメッセージカードが、特別な日の記念になった。
長年同じ場所で働き、無事に定年退職をした。これからは、いろいろなことに時間が使える。何ができるか、チャレンジしてみようと思う。「やってみることリスト」を片手に、新しい街で、新しい暮らしを始める67歳と8か月のシニア都会移住。田舎暮らしにあこがれたシニアが地方移住をするのとは逆方向の移動となる。
羽田空港のレストラン街。いつものお店に入るか、新しくできたお店に入るか。昨年9月にオープンしたタイ料理のお店が目に入る。回転は速そうと、そちらの列に移動したらすぐに呼ばれた。相席だけど、一人だからいいか。こういうことにも慣れていこう。 都心に向かうリムジンバス乗り場。早くに並んでいたのに、直前に一つ間違えていたことに気づく。これはディズニーランド行き!


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