『視点という教養 世界の見方が変わる7つの対話』 深井龍之介・野村高文 イースト・プレス 2022年 定価1600円+税
『視点という教養』の教養には、リベラルアーツという振り仮名がつけてある。サブタイトルは、「世界の見方が変わる7つの対話」。7つの学問領域について、専門家を招いた対談をとおして、世界をどのような方法で見ている(いく)のかを学べる。科学技術が進み、生成AIの発達が著しい今日、人間に(だからこそ)できることは何かが問われて久しい。この解の一つが「教養(リベラルアーツ)」として、たくさんの本が出ている。
この本で取り上げられているのは、物理学、文化人類学、仏教学、歴史学、宗教学、教育学、脳科学。一般的に、大学で学ぶ教養科目とも専門科目とも言われるような分野だが、それぞれの章は20頁程度と短い。この限られた紙面の中で、各分野の考え方のコアとなるものがよくわかる構成となっている。
ともかく内容が面白く、もっと知りたくなる。「知りたいのは、自分自身のため」という感覚で読み進められる。専門分野を読むというよりは、自分の内面に深く入り込んでいくという感じ。社会を知り、世界を知り、人間を知ることが、自分の人生を生きていく中で、自分一人で行わなくてはならない「判断する力」を育ててくれるという実感がわく。
一度読んだら、今度は脳科学、教育学と後ろから読み直していって、最後に第1章の「リベラルアーツの力を考える」にたどりつくのもいい。「教養を磨く」という意味を考えるためのおすすめの本。


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